顎関節症とは
下顎運動の障害や、関節雑音を訴えて来院する患者さんがここ数年増えている傾向にあります。 これらの症状は一般的に顎関節症と呼ばれております。
痛みは顎関節部ばかりでなく、頭部顔面の広い範囲に見られたり、さらに頸部から肩、腕、背中に及ぶこともあります。 痛みは多くの場合鈍痛で安静時には不快感を覚える程度ですが、顎の開閉時には明確な痛みとして感じられます。 起床時には痛みは少ないが徐々に強くなる場合や、朝痛みがはっきりしているが徐々に減少する場合、常時軽い鈍痛を感じるが食事をしたり会話後に痛みが強くなる場合など、痛みの発言には変動があることが多いです。
次に下顎運動の障害ですが、口が開きづらくお寿司が食べられない。大きなあくびができないなどの開口障害や、開口するときに顎が側方へ偏位するなどの症状が多くみられます。 こうした開口障害はその人固有の最大開口位まで開けられなくなった状態であります。 審査の時の目安としては通常は上下中切歯切端間で開口の測定し、40mm以上、女子では35mm以上あれば異常なしと考えておりますが、おおよそ自分の指が縦に3本入りますと問題ありません。
次に関節の雑音ですがクリッキング(カクン、コーン、コリッ)と、クレピテーション(ガリガリ、ザラザラ)とに分けられますが通常問題とされるのはクリッキングであります。 このクリッキングは、顎関節症患者で頻繁にみられ痛みや運動障害、その他の症状に先行するものとなります。 クレピテーションは、ものがすれ合うような音で開閉両運動時に聴取され、下顎の破壊や変形、関節円板の損傷などが考えられます。
では、何が原因なのでしょうか。
下顎頭とその上にある関節円板とのずれ、偏位、変形であることが一般的ですが原因は多種多元に及びます。